舗装された道路を飛び出し、土や泥、砂利、岩場といった自然の中を駆け抜ける爽快感。オフロードバイクは、そんな日常では味わえない冒険と自由を与えてくれる、魅力的な乗り物です。「オフロードバイクに挑戦してみたいけど、どんな車種を選べばいいの?」「林道ツーリングを楽しみたいけど、お勧めのモデルは?」「長距離も快適な大型のオフロードバイクってどんなのがあるの?」そんな疑問や興味をお持ちの方も多いのではないでしょうか。
一口にオフロードバイクと言っても、その種類や性能は様々。初心者向けの扱いやすいトレールモデルから、本格的なレースに対応するコンペティションマシン、そして長距離ツーリングもこなせる大型のアドベンチャーモデルまで、多種多様な選択肢が存在します。この記事では、そんな奥深いオフロードバイクの世界を徹底ガイド。「オフロードバイク お勧め」を探している初心者の方から、「オフロードバイク大型」に興味のある経験者の方まで、レベルや用途に合わせた最適な一台を見つけるための情報をお届けします。
オフロードバイク選びで重要なのは、自分のスキルレベルや、どのようなシーンでバイクを使いたいのか(街乗り、林道ツーリング、エンデューロレース、モトクロスコース走行など)を明確にすることです。
この記事では、まずオフロードバイクの種類とそれぞれの特徴を解説し、その上で具体的なお勧めモデルを、ヤマハ、ホンダ、カワサキ、スズキといった国内メーカーから、KTMやBMW、ROYAL ENFIELDといった海外メーカーまで幅広く紹介します。特に近年人気の高まっている大型オフロードバイク(アドベンチャーバイク)については、その魅力や選び方のポイント、代表的なモデル(Africa Twin、Tenere、GSシリーズなど)を詳しく解説。さらに、中古のオフロードバイクを探す際の注意点や、維持費、必要な装備など、オフロードバイクライフを始める上で役立つ情報も網羅します。この記事を読めば、あなたにぴったりのオフロードバイクが見つかり、新たな冒険への扉が開かれるはずです。さあ、一緒にオフロードバイクの世界を探求しましょう!
- 初心者からベテランまでレベル別のお勧めオフロードバイク
- 大型オフロードバイク(アドベンチャーモデル含む)の魅力と選び方
- オフロードバイクの種類とそれぞれの特徴(トレール、エンデューロ、モトクロス)
- 中古オフロードバイク選びの注意点とポイント
用途別オフロードバイクのお勧めモデル:あなたに最適な一台を見つけよう
- オフロードバイク お勧め①:初心者向けトレールモデル(セロー、CRF250L等)
- オフロードバイク お勧め②:林道ツーリングを楽しむ(WR250R、KLX230等)
- オフロードバイク お勧め③:本格的なオフロード走行・レース向け(YZ、CRF、KX、SX等)
- オフロードバイク お勧め④:街乗りも快適なデュアルパーパスモデル
- オフロードバイク お勧め⑤:女性にも扱いやすい軽量モデル
- オフロードバイク お勧め⑥:中古で狙い目!コスパの良いモデル
- オフロードバイク お勧め⑦:電動オフロードバイクの可能性
オフロードバイク お勧め①:初心者向けトレールモデル(セロー、CRF250L等)
- 扱いやすいエンジン特性と良好な足つき性
- 軽量で取り回しが良く、オフロード入門に最適
- ヤマハ セロー250(生産終了)、ホンダ CRF250L、カワサキ KLX230などが代表的
これからオフロードバイクの世界に足を踏み入れたい、と考えている初心者の方にまずお勧めしたいのが、「トレールモデル」と呼ばれるカテゴリーのバイクです。トレールモデルは、林道などの未舗装路(オフロード)走行を想定しつつも、公道走行に必要な保安部品(ヘッドライト、ウインカー、ミラーなど)を備え、オンロードでの扱いやすさも考慮されているのが特徴です。エンジンは比較的マイルドな出力特性で、低回転域から扱いやすいトルクがあり、急なパワーの立ち上がりなどが少ないため、初心者でも安心してアクセルを開けることができます。また、シート高が低めに設定されていたり、車体が軽量・スリムであったりするため、足つき性が良く、取り回しがしやすいモデルが多いのも、初心者にとっては大きなメリットです。「バイクを操る楽しさ」や「オフロードを走る基礎」を学ぶのに最適なカテゴリーと言えるでしょう。
代表的な初心者向けトレールモデルとしては、まず「マウンテントレール」という独自のジャンルを築き、長年にわたり絶大な人気を誇ったヤマハ セロー250(残念ながら2020年に生産終了)が挙げられます。抜群の足つき性と粘り強いエンジン、そして驚異的な走破性で、多くの初心者ライダーをオフロードの世界へと導きました。中古市場では今なお高い人気を保っています。現行モデルでは、ホンダ CRF250Lが定番中の定番です。扱いやすいエンジンとしっかりとした足回りを持ち、オフロード入門からツーリングまで幅広くこなせるバランスの良さが魅力です。よりオフロード性能を高めたCRF250L(S)もラインナップされています。カワサキ KLX230シリーズ(KLX230 S/SM)も、空冷エンジンならではの扱いやすさとシンプルな構造、そして比較的安価な価格設定で人気のモデルです。特にKLX230 Sは足つき性が向上しており、小柄な方や女性にもおすすめです。
これらのトレールモデルは、本格的なレースやハードなオフロードコースを走るにはパワーやサスペンション性能で物足りない部分もありますが、初めての林道走行や、ちょっとしたダート遊びを楽しむには十分すぎる性能を持っています。 まずはこれらの扱いやすいモデルでオフロード走行に慣れ、基礎を身につけることが、安全に楽しくオフロードバイクライフを続けるための第一歩となります。中古車も豊富に流通しているため、予算に合わせて探しやすいのも魅力です。 ただし、中古で購入する場合は、前のオーナーがどのような使い方をしていたか(オンロードメインか、オフロード走行が多かったかなど)を確認し、サスペンションの状態などをしっかりチェックすることが重要です。
オフロードバイク お勧め②:林道ツーリングを楽しむ(WR250R、KLX230等)
- トレールモデルより高い走破性とパワーを持つモデル
- 長距離走行や荷物積載もある程度考慮されている
- ヤマハ WR250R(生産終了)、CRF250L(S)、KLX230などが選択肢
オフロードバイクの楽しみ方として、林道ツーリングは非常に人気があります。舗装されていない山道や森の中を、自然を感じながらバイクで駆け抜けるのは格別な体験です。そんな林道ツーリングをメインに楽しみたいライダーには、初心者向けのトレールモデルよりも、もう少し走破性やパワーに余裕のあるモデルがお勧めです。林道には、フラットなダートだけでなく、ガレ場(石がゴロゴロした場所)、轍(わだち)、丸太越え、急な登り坂など、様々な難所が現れる可能性があります。これらのセクションをクリアするためには、ある程度のサスペンション性能(ストローク量や減衰力)や、エンジンパワー、そして適切なタイヤ選択などが重要になってきます。
林道ツーリングに適したモデルとしては、まず伝説的な人気を誇るヤマハ WR250R(2017年に生産終了)が挙げられます。高回転型のパワフルなエンジンと、本格的な前後サスペンションを備え、「公道最強のトレール」とも呼ばれました。その高いオフロード性能は、林道ツーリングにおいてライダーに大きなアドバンテージを与えてくれます。中古価格は高値で安定していますが、今なお多くのファンを持つ名車です。現行モデルでは、ホンダ CRF250L(S)が有力な選択肢となります。標準のCRF250Lよりもサスペンションストロークが長く、最低地上高も高められているため、より本格的なオフロード走行に対応できます。エンジンも扱いやすく、バランスの取れたモデルです。カワサキ KLX230も、軽量な車体とシンプルな構造で林道での扱いやすさに定評があります。パワーは控えめですが、その分、ライダーがコントロールしやすく、トコトコと林道を楽しむのに適しています。
これらのモデルは、本格的なエンデューロレーサーほど過激ではありませんが、日本の一般的な林道を走るには十分な性能を持っています。 また、公道走行を前提としているため、ある程度の距離のオンロード走行や、ツーリングに必要な装備(キャリアの装着など)も考慮されています。林道ツーリングでは、パンク修理キットや工具、雨具、飲み物など、ある程度の荷物を積載する必要があるため、積載性も重要なポイントとなります。サイドバッグやリアキャリアなどを装着しやすいかどうかも、モデル選びの際に確認しておくと良いでしょう。 自分のスキルレベルや、走りたい林道の難易度、そして予算などを考慮して、最適なパートナーを選びましょう。
オフロードバイク お勧め③:本格的なオフロード走行・レース向け(YZ、CRF、KX、SX等)
- 公道走行不可の競技専用車両がメイン
- 軽量・ハイパワーで、高性能なサスペンションを装備
- ヤマハ YZシリーズ、ホンダ CRF-Rシリーズ、カワサキ KXシリーズ、KTM SX/EXCシリーズなど
林道ツーリングよりもさらに本格的なオフロード走行、例えばエンデューロレースやモトクロスコースでの走行を楽しみたい、あるいは競技として取り組みたいというライダーには、コンペティションモデル(競技専用車両)が必要となります。これらのバイクは、公道走行に必要な保安部品(ライト、ウインカー、ミラー、ナンバープレートホルダーなど)が装備されておらず、ナンバー登録もできないため、一般公道を走行することはできません。トランスポーター(車)に積んで、クローズドコースやレース会場に持ち込んで走行するのが基本となります。
コンペティションモデルは、レースで勝つことを目的として設計されているため、軽量な車体にハイパワーなエンジン、そして高性能な前後サスペンションが搭載されています。エンジンは、モトクロス用(MX)であれば高回転域での瞬発力を重視、エンデューロ用(ED)であれば低中速域のトルクや粘り強さを重視したセッティングが施されていることが多いです。サスペンションも、大きなジャンプの着地や、激しいギャップ走行に耐えうる、長いストロークと優れた減衰力を持っています。すべてがオフロードでのパフォーマンスを最大限に引き出すために特化しており、トレールモデルとは比較にならないほどの高い戦闘力を持っています。
代表的なコンペティションモデルとしては、ヤマハのYZシリーズ(モトクロス)やWR-Fシリーズ(エンデューロ)、ホンダのCRF-Rシリーズ(モトクロス)やCRF-RXシリーズ(クロスカントリー)、カワサキのKXシリーズ(モトクロス)、そしてオフロード界で絶大な人気を誇るKTMのSXシリーズ(モトクロス)やEXCシリーズ(エンデューロ)、ハスクバーナ・モーターサイクルズのTC/FCシリーズ(モトクロス)やTE/FEシリーズ(エンデューロ)などが挙げられます。排気量も、125ccの2ストロークから450ccの4ストロークまで、様々なクラスが存在します。これらのモデルは、高性能である反面、エンジン寿命が短かったり、メンテナンス頻度が高かったりするなど、維持していく上での手間やコストもトレールモデルより多くかかります。 本格的なオフロード走行やレースに挑戦したい場合は、自分のスキルレベルや参戦したいカテゴリーに合わせて、適切なモデルを選ぶことが重要です。 また、安全に楽しむためには、ヘルメット、ブーツ、プロテクターなどの装備も、より本格的なものが必要となります。
オフロードバイク お勧め④:街乗りも快適なデュアルパーパスモデル
- オンロードでの快適性とオフロード走破性を両立
- 比較的大柄な車体と、防風性の高いスクリーンなどを装備
- 大型アドベンチャーモデルもこのカテゴリーに含まれることが多い
オフロードバイクに興味はあるけれど、メインの用途は街乗りやツーリングで、たまに林道などのオフロードも走ってみたい、というライダーには、「デュアルパーパスモデル」と呼ばれるカテゴリーが適しています。デュアルパーパスとは、「二つの目的」という意味で、その名の通りオンロード(舗装路)とオフロード(未舗装路)の両方をこなせるように設計されたバイクのことを指します。トレールモデルも広義にはデュアルパーパスに含まれますが、ここで言うデュアルパーパスモデルは、よりオンロードでの快適性や走行性能を重視したモデルをイメージしてください。比較的排気量が大きいモデルが多く、大柄な車体に、長距離走行を快適にするための大型燃料タンクや、防風効果の高いウインドスクリーン、座り心地の良いシートなどが装備されているのが特徴です。
このカテゴリーには、近年非常に人気の高い「アドベンチャーモデル」も含まれます。ホンダのアフリカツイン(Africa Twin)やNC750X、ヤマハのテネレ(Tenere)700やトレーサー(Tracer)シリーズ、スズキのVストローム(V-Strom)シリーズ、カワサキのヴェルシス(Versys)シリーズ、そしてBMWのGSシリーズやKTMのアドベンチャー(Adventure)シリーズなどが代表的なモデルです。これらのバイクは、パワフルなエンジンと長距離走行に適した装備を備え、高速道路を使ったロングツーリングを得意としながらも、ある程度のオフロード走破性も確保されており、旅先で出会うダートなどにも臆することなく入っていくことができます。
もちろん、軽量なトレールモデルや本格的なコンペティションモデルと比較すると、オフロードでの走破性は劣ります。車体が大きく重いため、ハードなオフロードや狭い林道などでは扱いにくさを感じる場面もあるでしょう。しかし、フラットなダートや、多少荒れた程度の林道であれば、十分に対応可能です。 オンロードでの快適な移動能力と、旅の自由度を広げるオフロード走破性を高い次元でバランスさせているのが、デュアルパーパスモデルの魅力です。「一台でどこへでも行きたい」「冒険の旅に出たい」と考えるライダーにとって、これらのモデルは最高の選択肢となるでしょう。ただし、価格が高価であったり、足つき性が厳しかったりするモデルも多いため、購入時には自分の体格や予算、そして本当に必要な性能なのかを慎重に検討することが重要です。
オフロードバイク お勧め⑤:女性にも扱いやすい軽量モデル
- 軽量・コンパクトで足つき性の良いモデルがおすすめ
- ヤマハ セロー250(中古)、ホンダ CRF250L、カワサキ KLX230Sなどが候補
- ローダウンカスタムなども有効な選択肢
オフロードバイクに挑戦してみたいけれど、体力や体格に自信がない、という女性ライダーの方もいるでしょう。オフロードバイクは、サスペンションストロークを確保するためにシート高が高めなモデルが多く、また、未舗装路での走行はバランス感覚も要求されるため、不安を感じるかもしれません。しかし、適切なモデルを選び、いくつかのポイントを押さえれば、女性でも十分にオフロードバイクを楽しむことができます。女性ライダーにおすすめのオフロードバイク選びのポイントは、やはり「軽量であること」と「足つき性が良いこと」です。車体が軽ければ、取り回しが楽になり、万が一バランスを崩した際にも支えやすくなります。足つき性が良ければ、停車時や、オフロードでの難所で足を着く際に安心感が大きく向上します。
これらの条件を満たすモデルとして、まず筆頭に挙げられるのが、やはりヤマハ セロー250(生産終了)です。その抜群の足つき性の良さと軽量な車体、そして扱いやすいエンジン特性は、多くの女性ライダーからも絶大な支持を得ていました。中古市場で探す価値は十分にあります。現行モデルでは、ホンダ CRF250Lの標準仕様や、カワサキ KLX230Sがおすすめです。CRF250Lは、シート高がやや高めですが、ローダウン仕様の純正オプションパーツが用意されていたり、社外品のローダウンキットも存在します。KLX230Sは、KLX230をベースにサスペンションを変更し、シート高を大幅に下げたモデルで、足つき性を重視するライダーには最適な選択肢の一つです。空冷エンジンで車重も比較的軽い点も魅力です。
また、これらの250ccクラスでもまだ不安があるという場合は、より排気量の小さい125ccクラスのオフロードモデル(例えば中古のヤマハ XT125Zテネレや、海外モデルなど)を探してみるのも一つの手です。ただし、125ccクラスはパワーが非力なため、登り坂などでは苦労する場面もあるかもしれません。モデル選びと合わせて、ローダウンカスタムを検討するのも有効な方法です。 フロントフォークの突き出し調整や、リアサスペンションのリンクロッド交換などで、数センチ程度シート高を下げることができます。ただし、ローダウンはサスペンション性能や最低地上高に影響を与えるため、専門知識のあるショップに相談しながら行うのが良いでしょう。さらに、オフロード走行に慣れるまでは、無理のないフラットなダートなどから始め、徐々にステップアップしていくことも大切です。 適切なバイク選びと、安全な楽しみ方を心がければ、女性でもオフロードバイクの魅力を存分に味わうことができるはずです。
オフロードバイク お勧め⑥:中古で狙い目!コスパの良いモデル
- 生産終了した人気モデル(セロー250、WR250R、XR250等)
- 年式の古いトレールモデル(KLX250、ジェベル250XC等)
- ただし、状態の見極めとメンテナンスの知識は必要
オフロードバイクを始めたいけれど、新車は価格が高い、あるいは転倒などで傷つけるのが心配、という方には、中古のオフロードバイクを探すという選択肢があります。中古市場には、様々な年式や状態のオフロードバイクが流通しており、中には非常にお買い得な「狙い目」モデルも存在します。コストパフォーマンスを重視して中古オフロードバイクを選ぶ際のポイントと、具体的なお勧めモデルをいくつかご紹介しましょう。まず、生産終了してしまったものの、根強い人気を誇るモデルは狙い目です。代表格はやはりヤマハ セロー250とWR250Rです。セロー250は、その扱いやすさと走破性から中古市場でも人気が高く、価格はやや高値安定ですが、タマ数は豊富です。WR250Rは高性能ゆえに中古価格も高めですが、そのパフォーマンスは現行モデルと比較しても遜色なく、探す価値はあります。ホンダのXR250(MD30)なども、タフなエンジンとシンプルな構造で人気があり、比較的安価で見つけることができます。
また、少し年式が古めのトレールモデルも、価格的な魅力があります。例えば、カワサキ KLX250(2008年以降のFIモデルや、それ以前のキャブモデル)や、スズキ ジェベル250XC、DR250Rなども、基本的なオフロード性能はしっかりしており、カスタムベースとしても人気があります。これらのモデルは、現行モデルと比較すると装備や性能で見劣りする部分もありますが、その分、中古価格はかなり手頃になっていることが多いです。特にキャブレターモデルは、構造がシンプルで整備しやすいというメリットもあります(ただし、キャブ特有の扱いにくさもあります)。
ただし、中古のオフロードバイク、特に年式の古いモデルや走行距離の多いモデルを選ぶ際には、注意が必要です。オフロードバイクは、その性質上、転倒による傷やダメージを受けている可能性が高く、また、サスペンションやエンジンなどの消耗・劣化が進んでいる場合もあります。購入時には、フレームの歪み、エンジンの異音、オイル漏れ、サスペンションの抜けや錆び、ホイールリムの振れなどを入念にチェックする必要があります。 ある程度のメンテナンス知識があるか、信頼できるバイクショップに整備を依頼できる体制がないと、購入後に思わぬ出費やトラブルに見舞われる可能性もあります。価格の安さだけでなく、車両の状態をしっかりと見極め、購入後の維持費や手間も考慮に入れた上で、総合的なコストパフォーマンスを判断することが重要です。
オフロードバイク お勧め⑦:電動オフロードバイクの可能性
- 静粛性が高く、環境負荷が少ない
- トルクフルな加速とシンプルな構造が魅力
- KTM FREERIDE E-XCやSUR-RONなどが登場、今後の普及に期待
近年、自動車の世界では電動化が急速に進んでいますが、バイクの世界、特にオフロードバイクの分野でも、電動モデルが注目を集め始めています。電動オフロードバイクは、従来のエンジン付きバイクとは異なる、いくつかのユニークな魅力と可能性を秘めています。まず、最大のメリットは、その圧倒的な静粛性です。エンジン音や排気音がないため、早朝や深夜の走行、あるいは住宅地に近い場所での練習など、騒音が気になる環境でも気兼ねなく走行できる可能性があります。また、排出ガスを一切出さないため、環境負荷が非常に少ないという点も、これからの時代において大きなアドバンテージとなるでしょう。
走行性能に関しても、電動ならではのメリットがあります。モーターは、アクセルを開けた瞬間から最大トルクを発生させることができるため、非常にダイレクトで力強い加速感を味わえます。特に、低速から中速域でのトルクフルな走りは、オフロードでのトラクション性能や登坂能力において有利に働く可能性があります。また、エンジンやトランスミッション、排気系といった複雑な機構がないため、構造がシンプルで軽量化しやすく、メンテナンスも比較的容易になることが期待されます。
現在、市場にはいくつかの電動オフロードバイクが登場しています。代表的なモデルとしては、KTMがラインナップする「FREERIDE E-XC」が挙げられます。本格的なオフロード走行に対応する車体とサスペンションを備え、電動ならではの静粛性とトルクフルな走りを両立しています。また、より手軽なモデルとして、中国発の「SUR-RON(サーロン)」なども人気を集めています。軽量コンパクトな車体で、自転車感覚でオフロードを楽しむことができます。ただし、現状ではまだ航続距離や充電インフラ、そして車両価格の高さなどが課題として残っています。 バッテリー技術の進化やインフラ整備が進めば、今後、電動オフロードバイクはさらに普及し、新たなオフロードの楽しみ方を提供してくれる可能性を秘めています。 環境意識の高まりとともに、将来的に有力な選択肢の一つとなるかもしれません。
大型オフロードバイクの世界:アドベンチャーモデルの魅力と選び方
- オフロードバイク大型の定義とは?アドベンチャーバイクとの違い
- 大型オフロードバイクの魅力:長距離ツーリングと走破性の両立
- お勧め大型オフロードバイク①:ホンダ Africa Twinシリーズ
- お勧め大型オフロードバイク②:ヤマハ Tenere700
- お勧め大型オフロードバイク③:KTM Adventureシリーズ
- お勧め大型オフロードバイク④:BMW GSシリーズ
- 大型オフロードバイク選びの注意点:重量、足つき、維持費
オフロードバイク大型の定義とは?アドベンチャーバイクとの違い
- 明確な定義はないが、一般的に600cc以上のオフロード系モデルを指すことが多い
- 「アドベンチャーバイク」とほぼ同義で使われることが多い
- オンロードでの快適性とオフロード走破性を兼ね備える
「大型オフロードバイク」という言葉を聞いて、具体的にどのようなバイクをイメージするでしょうか?実は、「大型オフロードバイク」には明確な排気量の定義があるわけではありません。一般的には、大型二輪免許が必要となる401cc以上の排気量を持つオフロード走行も可能なバイク、特に600cc以上の大排気量モデルを指して使われることが多いようです。そして、このカテゴリーは、近年非常に人気の高い「アドベンチャーバイク」とほぼ同義で語られることが多くなっています。アドベンチャーバイクは、その名の通り「冒険」をテーマとし、長距離ツーリングにおける快適性と、旅先で出会うであろう未舗装路(オフロード)を走破できる性能を兼ね備えたモデルを指します。
従来のオフロードバイク(トレールモデルやエンデューロモデル)が、どちらかというとオフロード走行性能に重きを置いていたのに対し、大型オフロードバイク(アドベンチャーバイク)は、オンロードでの快適性や高速巡航性能も高いレベルで追求しているのが特徴です。パワフルなエンジン、大容量の燃料タンク、防風効果の高い大型スクリーン、快適なシート、そして長距離走行に適したサスペンションなどが装備されています。 これにより、高速道路を使った大陸横断のようなロングツーリングも快適にこなすことができます。
一方で、オフロード性能も決して疎かにされているわけではありません。最低地上高が高く設定され、ストロークの長いサスペンションや、大径のフロントホイール(21インチを採用するモデルも多い)、そしてオフロード走行に適したライディングポジションなどが考慮されています。トラクションコントロールやABSなどの電子制御も、オンロードだけでなくオフロード走行に対応したモードを備えているモデルが多く、ライダーのスキルをサポートし、安全かつ楽しくオフロードを走破することを可能にしています。 つまり、大型オフロードバイクとは、オンロードバイクの快適性と、オフロードバイクの走破性を高次元で融合させ、「どこへでも行ける自由」を提供してくれる、究極のツーリングマシンと言えるでしょう。
大型オフロードバイクの魅力:長距離ツーリングと走破性の両立
- 高速道路を使った長距離移動が快適
- 大容量タンクによる長い航続距離
- 舗装路からダートまで、道を選ばない走破性
大型オフロードバイク(アドベンチャーバイク)が多くのライダーを魅了する理由は、その圧倒的な「万能性」にあります。最大の魅力は、オンロードでの長距離ツーリングにおける快適性と、オフロードでの高い走破性を両立している点です。まず、オンロード性能についてですが、搭載されているパワフルなエンジン(多くは2気筒以上)は、高速道路での巡航を余裕でこなします。時速100km/hでの巡航はもちろん、追い越し加速もスムーズで、ストレスなく長距離を移動することができます。大型のウインドスクリーンは走行風からライダーを守り、快適なシートは長時間のライディングでも疲労を軽減してくれます。大容量の燃料タンクを備えているモデルが多く、一度の給油で数百キロメートルもの航続距離を誇るため、給油の心配をせずにツーリングに集中できるのも大きなメリットです。
そして、旅先で舗装路が途切れ、ダートや林道が現れたとしても、大型オフロードバイクはその真価を発揮します。最低地上高が高く、ストロークの長いサスペンションは、荒れた路面からの衝撃を効果的に吸収し、安定した走行を可能にします。大径のフロントホイール(19インチや21インチ)はギャップ走破性に優れ、ブロックパターンのタイヤを装着すれば、さらに高いオフロード性能を引き出すことができます。電子制御デバイス(ライディングモード、トラクションコントロール、オフロードABSなど)も、ライダーのスキルを補い、様々な路面状況で安全かつ積極的に走りを楽しむことをサポートしてくれます。
この「オンロードでの快適性」と「オフロードでの走破性」を高次元で両立しているからこそ、大型オフロードバイクは「アドベンチャー」の名にふさわしい、自由な旅を可能にしてくれるのです。舗装路の終わりを恐れることなく、気の向くままに未知の道へと進んでいくことができる。そんな、日常から解き放たれた冒険心をくすぐる乗り物、それが大型オフロードバイクの最大の魅力と言えるでしょう。まさに「どこへでも行ける」と思わせてくれる、究極のツーリングパートナーなのです。
お勧め大型オフロードバイク①:ホンダ Africa Twinシリーズ
- 「冒険」を体現するホンダのフラッグシップアドベンチャー
- パワフルな1100cc並列2気筒エンジンと豊富な電子制御
- オンロード志向の標準モデルとオフロード志向のAdventure Sports ES
大型オフロードバイク(アドベンチャーバイク)の代名詞とも言える存在が、ホンダのAfrica Twin(アフリカツイン)シリーズです。かつてパリ・ダカールラリーで活躍したマシンの名を継承し、「True Adventure(真の冒険)」をコンセプトに開発された、ホンダのフラッグシップモデルです。現行モデル(CRF1100L Africa Twin)は、1082ccの水冷並列2気筒エンジンを搭載し、低回転域から力強いトルクと高回転域での伸びやかなパワーを発揮します。スロットルバイワイヤを採用し、複数のライディングモードや、トルクコントロール(トラクションコントロール)、ウイリーコントロール、エンジンブレーキコントロールなど、豊富な電子制御デバイスを搭載。これにより、オンロードからオフロードまで、様々な状況に合わせて最適な走行性能を引き出すことが可能です。また、オートマチックトランスミッションであるDCT(デュアル・クラッチ・トランスミッション)仕様を選択できるのも、Africa Twinの大きな特徴の一つです。
現行のAfrica Twinシリーズには、大きく分けて2つのバリエーションが存在します。標準モデルの「CRF1100L Africa Twin」は、ややオンロード寄りのセッティングで、軽快なハンドリングと扱いやすさを重視しています。ホイールはチューブレスタイヤ対応のスポークホイール(フロント21/リア18インチ)です。一方、「CRF1100L Africa Twin Adventure Sports ES」は、より長距離・長期間の冒険旅行を想定したモデルです。大型の燃料タンク(24L)、コーナリングライト、高さ調整可能な大型スクリーン、グリップヒーター、そしてショーワ製の電子制御サスペンション(SHOWA EERATM)などを標準装備し、快適性と積載性、そしてあらゆる路面への対応力を高めています。どちらのモデルを選ぶかは、主な用途(オンロード中心か、オフロードやロングツーリングも重視するか)によって決めるのが良いでしょう。
Africa Twinシリーズは、その高い完成度と信頼性、そして豊富な先進技術により、世界中のアドベンチャーライダーから絶大な支持を得ています。パワフルなエンジン、快適な乗り心地、そして高いオフロード走破性を兼ね備え、まさに「どこへでも行ける」と思わせてくれる一台です。ただし、大柄な車体とシート高(特にAdventure Sports ES)、そして高価な価格設定は、購入の際のハードルとなるかもしれません。 しかし、その価格に見合うだけの性能と満足感を提供してくれる、ホンダが誇る最高峰のアドベンチャーマシンであることは間違いありません。
お勧め大型オフロードバイク②:ヤマハ Tenere700
- シンプル・イズ・ベストを体現する本格派ミドルアドベンチャー
- 扱いやすい並列2気筒エンジンと本格的なオフロード性能
- 電子制御は最小限で、ライダーのスキルで操る楽しさ
ホンダ Africa Twinが先進技術を満載したフラッグシップであるのに対し、ヤマハのTenere700(テネレ700)は、よりシンプルでオフロード走行に軸足を置いた、本格派のミドルクラスアドベンチャーとして人気を集めています。「Next Horizon is Yours.」をコンセプトに、ライダーが自らのスキルで道を切り拓く楽しさを追求したモデルです。エンジンは、MT-07譲りの688cc水冷並列2気筒(CP2)エンジンを搭載。扱いやすいパワー特性と、低中速域での豊かなトルクが特徴で、オンロードでの軽快な走りから、オフロードでの粘り強い走りまで、幅広いシーンに対応します。最高出力は約73psと、リッタークラスのアドベンチャーには及びませんが、軽量な車体(約205kg)と相まって、十分な動力性能を発揮します。
Tenere700の最大の特徴は、その本格的なオフロード性能です。フロントには21インチ、リアには18インチのスポークホイールを採用し、サスペンションストロークもフロント210mm、リア200mmと十分に確保されています。最低地上高も240mmと高く、本格的な林道走行やガレ場の走破も視野に入れた設計となっています。そして特筆すべきは、電子制御デバイスがABS(オン/オフ切り替え可能)のみと、非常にシンプルな点です。 ライディングモードやトラクションコントロールといった過剰な介入を排し、ライダー自身のスキルでマシンを操る、ダイレクトなライディングプレジャーを重視しているのです。この割り切ったコンセプトが、経験豊富なオフロードライダーを中心に、熱狂的な支持を集めています。
デザインも、ラリーマシンを彷彿とさせる縦型2灯のLEDヘッドライトや、スリムでフラットなシート、アップライトなハンドルポジションなど、オフロード走行を意識した機能的なものとなっています。大型のスクリーンやナックルガードも標準装備され、ツーリングでの快適性も考慮されています。価格も、リッタークラスのアドベンチャーモデルと比較すると、比較的手頃な設定となっている点も魅力です。 シンプルでありながら、その中身は本格派。ライダーの冒険心を刺激し、「操る楽しさ」を存分に味わわせてくれるのがTenere700なのです。 電子制御に頼らず、自分の腕でオフロードを走破したい、と考えるライダーには、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。
お勧め大型オフロードバイク③:KTM Adventureシリーズ
- 「READY TO RACE」を掲げる、オフロード性能に特化したアドベンチャー
- パワフルなエンジンと高性能なWP製サスペンション
- 豊富なラインナップ(390, 790/890, 1290)と先進的な電子制御
オフロードバイクの世界で、「走り」にこだわるライダーから絶大な支持を得ているメーカーが、オーストリアのKTMです。「READY TO RACE」をブランドスローガンに掲げ、レース活動で培われた技術を市販車にフィードバックすることで、高性能なオフロードバイクを数多く生み出してきました。そのKTMが手がけるアドベンチャーモデルが、Adventureシリーズです。このシリーズは、他のメーカーのアドベンチャーモデルと比較しても、よりオフロード性能を重視した、スポーティでアグレッシブなキャラクターを持っているのが特徴です。
KTM Adventureシリーズの魅力は、まずパワフルなエンジンにあります。軽量コンパクトながら高出力を発生させるLC8c(並列2気筒)やLC8(V型2気筒)エンジンは、鋭いレスポンスと圧倒的な加速力を誇ります。そして、KTM傘下のWP Suspension社製の高性能な前後サスペンションが、あらゆる路面で優れた追従性と走破性を実現します。フレームも、軽量かつ高剛性なクロモリ鋼管トレリスフレームを採用するなど、車体構成にもレース由来の技術が惜しみなく投入されています。
ラインナップも豊富で、エントリーモデルの「390 Adventure」、ミドルクラスの「790 Adventure」や「890 Adventure」(Rモデルはさらにオフロード性能強化)、そしてフラッグシップの「1290 Super Adventure」(オンロード志向のSとオフロード志向のR)と、排気量やキャラクターの異なるモデルが揃っています。電子制御技術も非常に先進的で、コーナリングABSや、リーンアングルセンサー連動のトラクションコントロール、複数のライディングモード、そして一部モデルにはセミアクティブサスペンションなども搭載されており、ライダーのスキルレベルや走行状況に合わせて、安全かつ最大限にパフォーマンスを引き出すことが可能です。デザインも、KTMらしいエッジの効いたアグレッシブなもので、他メーカーとは一線を画す個性を放っています。 オフロードでのパフォーマンスを妥協したくない、刺激的なアドベンチャーを求めている、というライダーにとって、KTM Adventureシリーズは最高の選択肢となるでしょう。 ただし、価格が高価である点や、メンテナンス性、部品供給などについては、購入前に考慮が必要です。
お勧め大型オフロードバイク④:BMW GSシリーズ
- アドベンチャーバイクの元祖にして、絶対的な王者
- 伝統の水平対向ボクサーエンジンとシャフトドライブ
- 長距離ツーリングでの快適性と信頼性、ブランドイメージは随一
大型アドベンチャーバイクのカテゴリーを確立し、長年にわたりその頂点に君臨し続けているのが、BMW MotorradのGSシリーズです。「GS」とは、ドイツ語の「Gelände(ゲレンデ:オフロード)/ Straße(シュトラーセ:オンロード)」の頭文字であり、その名の通り、オン・オフ両方の道を走破できることを意味します。GSシリーズの最大の特徴は、BMW伝統の水平対向2気筒エンジン(ボクサーエンジン)と、メンテナンスフリー性に優れるシャフトドライブを採用している点です。低重心なボクサーエンジンは、独特のフィーリングと優れた走行安定性をもたらし、シャフトドライブはチェーンドライブのような頻繁なメンテナンス(清掃、注油、調整)を不要にします。これらの機構は、長距離・長期間のツーリングにおいて、ライダーに大きな安心感と快適性を提供します。
現行の主力モデルである「R 1250 GS」および「R 1250 GS Adventure」は、可変バルブタイミング機構「シフトカム」を備えた1254ccボクサーエンジンを搭載し、パワフルでありながら扱いやすい出力特性を実現しています。電子制御技術も非常に高度で、ライディングモード、トラクションコントロール(DTC)、コーナリング対応のABS Pro、ヒルスタートコントロールなどを標準装備。さらに、電子制御サスペンション(Dynamic ESA)や、大型TFTカラーディスプレイ、スマートフォン連携機能など、快適装備も充実しており、まさに至れり尽くせりの内容となっています。R 1250 GS Adventureは、標準モデルよりも大型の燃料タンクやエンジンガード、ロングストロークサスペンションなどを装備し、よりハードなアドベンチャーに対応する仕様となっています。
GSシリーズは、その長い歴史の中で培われた高い信頼性と耐久性、そしてBMWというブランドイメージも相まって、世界中のツーリングライダーから絶大な支持を集めています。長距離ツーリングでの快適性は他の追随を許さず、オフロード走破性も見た目以上に高いレベルにあります。ただし、その高性能とブランド故に、車両価格は非常に高価であり、維持費も国産車と比較すると高くなる傾向にあります。 また、大柄で重量のある車体は、小柄なライダーにとっては扱いにくさを感じるかもしれません。しかし、予算や体格的な問題をクリアできるのであれば、GSシリーズは究極のツーリングマシンとして、最高の満足感を与えてくれる一台であることは間違いありません。
大型オフロードバイク選びの注意点:重量、足つき、維持費
- 車体が大きく重いため、取り回しやオフロードでの扱いに注意
- シート高が高く、足つき性が厳しいモデルが多い
- 車両価格やメンテナンス費用などの維持費が高額になる傾向
大型オフロードバイク(アドベンチャーバイク)は、その万能性から非常に魅力的なカテゴリーですが、購入を検討する際には、いくつかの注意点を理解しておく必要があります。まず、最も大きなハードルとなるのが、その「大きさ」と「重さ」です。リッタークラスのモデルになると、車両重量が230kgを超えることも珍しくなく、燃料を満タンにすればさらに重くなります。この重さは、オンロードでの安定感には貢献しますが、駐輪場での取り回しや、万が一バランスを崩した際に支えるのは、かなりの腕力と体格が要求されます。特にオフロード走行においては、この重さが大きなハンデとなり、狭い林道や難所でのコントロールを難しくします。転倒した際に一人で引き起こすのも困難な場合があります。自分の体力やスキルで、この重さを扱いきれるかどうかを冷静に判断することが重要です。
次に、「足つき性」の問題です。オフロード走破性を高めるために、最低地上高が高く、サスペンションストロークも長く設定されているため、必然的にシート高も高くなる傾向にあります。身長によっては、両足のかかとまでしっかりと接地するのは難しく、つま先立ちになる、あるいは片足しか着けないというケースも少なくありません。停車時や、不整地での足場の悪い場所での安定性に不安を感じる可能性があります。多くのモデルでローダウン仕様やローシートがオプションで用意されていますが、それでも限界はあります。 購入前には必ず実車に跨ってみて、足つき具合を確認することが不可欠です。
そして、「維持費」の問題も無視できません。大型オフロードバイクは、高性能なエンジンや先進的な電子制御、高品質な足回りなどを備えているため、車両本体価格が非常に高価です。中古車を探すにしても、人気モデルは高値で取引されています。購入後の維持費についても、排気量が大きいため税金や保険料が高くなり、燃費も中・小型バイクほど良くはありません。タイヤも大径で高価なものが多く、交換費用もかさみます。特に輸入車(KTM、BMWなど)の場合は、部品代や整備工賃が国産車よりも高額になる傾向があります。 購入予算だけでなく、年間の維持費も考慮に入れた上で、無理のない範囲で選択することが大切です。これらの注意点を理解し、自分の体力、スキル、予算、そしてバイクに求めるものと照らし合わせて、最適な一台を選びましょう。
まとめ:自分に合ったオフロードバイクを見つけて冒険に出かけよう
- オフロードバイクには、用途やスキルレベルに応じて様々な種類が存在する(トレール、エンデューロ、モトクロス、デュアルパーパス/アドベンチャー)。
- 初心者には、扱いやすく足つきの良いトレールモデル(例:ホンダ CRF250L、カワサキ KLX230S、ヤマハ セロー250の中古など)がオフロード入門として最適。
- 林道ツーリングを楽しみたいなら、トレールモデルの中でも走破性の高いモデル(例:ホンダ CRF250L(S)、ヤマハ WR250Rの中古など)が良い選択肢となる。
- レースや本格的なオフロード走行には、公道走行不可のコンペティションモデル(例:ヤマハ YZ、ホンダ CRF-R、カワサキ KX、KTM SX/EXCなど)が必要。
- 街乗りやオンロードツーリングの快適性も重視し、たまにオフロードも走りたいなら、デュアルパーパスモデルやアドベンチャーバイクが適している。
- 大型オフロードバイク(アドベンチャーバイク)は、長距離ツーリング性能とオフロード走破性を高次元で両立するが、重量、足つき、価格、維持費が選択のポイントとなる。
- 代表的な大型モデルとして、ホンダ Africa Twin、ヤマハ Tenere700、KTM Adventureシリーズ、BMW GSシリーズなどがあり、それぞれ特徴が異なる。
- 中古のオフロードバイクは価格的なメリットがあるが、車両の状態(特にエンジン、サスペンション、フレーム)を慎重に見極める必要があり、メンテナンス知識も求められる。
- 電動オフロードバイクも登場しており、静粛性や環境性能、トルクフルな走りが魅力だが、航続距離や価格、充電インフラが今後の課題。
- 自分のやりたいこと(街乗り、林道、レース、ロングツーリング等)、スキルレベル、予算、体格などを総合的に考慮し、最適なカテゴリーとモデルを選ぶことが最も重要。試乗やレンタルを活用するのも有効。
いやー、オフロードバイクって、本当に奥が深くて面白い世界だよね!舗装路をただ走るだけじゃなくて、土の上、森の中、時には岩場だって越えていける。バイクと自分が一体になって、自然と対話するような感覚。あれを知っちゃうと、もうヤミツキだよ!
「でも、オフロードって難しそう…」「どんなバイクを選べばいいか分からない…」そんな風に思ってたかもしれないけど、この記事を読んで、少しでもその不安が解消されたなら嬉しいな。
大丈夫!オフロードバイクには、君のレベルや「やってみたいこと」にピッタリ合うモデルが必ずあるから。
「まずは近所の河原で練習したいな」って初心者さんには、セローやCRF250Lみたいな優しいトレールバイク。
「週末は林道を探検したい!」ってアクティブ派には、WR250RやKLXみたいな頼れる相棒。
「いつかはレースに出てみたい!」なんて熱いハートの持ち主には、YZやCRF-Rみたいな本気のレーサー。
そして、「バイクで日本一周、いや世界一周したい!」なんて壮大な夢を持つ冒険家には、アフリカツインやGSみたいな大型アドベンチャー。
大切なのは、いきなり難しいことに挑戦しようとしないで、自分のレベルに合ったバイクと、無理のない楽しみ方を見つけること。そして、ヘルメットやプロテクターみたいな安全装備は絶対にケチらないこと!
さあ、準備はいいかい?
泥まみれになる覚悟はできた?(笑)
この記事が、君のオフロードバイク選びの助けになって、新しい冒険への第一歩を踏み出すきっかけになれたなら、最高にハッピーだよ!
ぜひ、お気に入りの一台を見つけて、オフロードの世界を思いっきり楽しんでくれ!Good luck & Ride Safe!