カワサキが誇る、伝統と現代技術が融合したネオクラシックバイク、W800シリーズ。その美しいスタイリングと、空冷バーチカルツインエンジンが奏でる独特の鼓動感は、多くのバイクファンを魅了し続けています。ラインナップには、スタンダードなW800、アップハンドルが特徴のW800 STREET、そしてカフェレーサースタイルのW800 CAFEがあり、それぞれが異なる個性を持っています。
眺めているだけでも飽きないそのデザインは、まさに走る芸術品と言っても過言ではありません。しかし、そのクラシカルな見た目とは裏腹に、「実際のところ、どれくらいの速さで走れるんだろう?」「高速道路での走行は快適なのかな?」と、その走行性能、特に「最高速」について気になる方もいるのではないでしょうか。W800のエンジンは、最高出力を追求するタイプではなく、低中回転域での豊かなトルクと心地よいフィーリングを重視した設計です。そのため、最新のスーパースポーツバイクのような圧倒的なスピードを期待するのは少し違うかもしれません。
ですが、800ccという排気量を持つ大型バイクとして、高速道路を使ったツーリングなどでの実用的な性能は気になるところです。この記事では、W800の最高速に関するユーザーレビューや実測データを探りつつ、高速道路での安定性、加速感、振動、快適性など、リアルな走行性能について徹底的に解説します。さらに、最高速という一面だけでなく、W800が持つ本来の魅力であるエンジンの鼓動感、美しいデザイン、扱いやすさなど、多角的な視点からその価値を再発見していきます。W800の購入を検討している方、すでにオーナーの方、そしてクラシックバイクに興味があるすべての方へ、W800の真実の姿をお届けします。
- W800の最高速度について、実際のユーザーレビューやメディアの実測データをもとに探ります。
- 高速道路走行時の安定性、加速性能、振動、快適性など、実用的な走行性能を詳しく解説します。
- 最高速だけでなく、W800の真髄である空冷バーチカルツインエンジンの鼓動感や美しいデザインの魅力を再確認します。
- W800、W800 STREET、W800 CAFEの各モデルの特徴と違いを比較し、選び方のヒントを提供します。
W800の最高速と高速走行性能の実態
- W800の最高速は実際どれくらい? ユーザーレビューと実測データ
- 高速道路での安定性は? フレーム剛性やタイヤの影響
- エンジンのパワーとトルク:高速域での加速感と余裕
- 振動は気になる? バーチカルツイン特有の鼓動と快適性
- 風圧の影響は? カウル有無(CAFEモデル)による違い
- ブレーキ性能:高速からの減速は安心できるか
- 燃費性能:高速走行時の燃費はどれくらい?
W800の最高速は実際どれくらい? ユーザーレビューと実測データ
- 実測で170km/h〜180km/h程度というレビューが多い。
- メーター読みではそれ以上を示す場合もある。
- 最高速を追求するバイクではないことを理解する必要がある。
カワサキW800のクラシカルなスタイルに惹かれつつも、「実際のところ、どれくらいのスピードが出るんだろう?」と最高速が気になる方は多いようです。特に大型バイクとなると、高速道路での走行性能も含めて、ある程度の速度域でのパフォーマンスは知っておきたいポイントですよね。では、W800の最高速は実際どれくらいなのでしょうか?メーカーから公式な最高速度の発表はありませんが、インターネット上のユーザーレビューやバイクメディアによるインプレッション記事などを参考にすると、おおよその実態が見えてきます。多くの情報源で共通して見られるのは、実測での最高速度がだいたい170km/hから180km/h程度であるというものです。もちろん、これはライダーの体重や走行条件(風向き、路面状況など)によって多少変動します。
バイクのスピードメーターは、実際の速度よりもやや高めに表示される傾向があるため、メーター読みでは180km/h以上、場合によっては190km/h近くまで表示されることもあるようです。しかし、これはあくまでメーター上の数値であり、実際の速度とは乖離があることを理解しておく必要があります。GPSなどで計測した実測値としては、やはり170km/h台後半あたりが現実的な限界速度と考えられます。この速度域は、日本の高速道路の法定速度を大きく上回るものであり、公道で試すことは絶対にできませんし、推奨されるものでもありません。あくまで、W800というバイクが持つポテンシャルとして、この程度の最高速度性能を持っている、という認識に留めておくべきでしょう。
重要なのは、W800がそもそも最高速を競うようなカテゴリーのバイクではないということです。その魅力は、絶対的なスピードではなく、空冷バーチカルツインエンジンがもたらす心地よい鼓動感や、低中回転域での豊かなトルク、そして美しいスタイリングにあります。スペック上の最高速の数値を気にするよりも、W800が最も輝く速度域(例えば、一般道でのんびり流したり、高速道路を法定速度プラスαでクルージングしたりするような場面)で、いかに気持ちよく走れるか、という点に注目する方が、このバイクの本質を理解し、満足度の高いバイクライフを送ることに繋がるでしょう。最高速が170km/h程度と聞くと、「大型バイクとしては物足りない?」と感じる方もいるかもしれませんが、日本の道路事情やW800のキャラクターを考えれば、実用上は十分すぎる性能を持っていると言えます。最高速の数値を過度に気にすることなく、W800ならではの走りを楽しんでほしいと思います。
- 最高速170km/hかぁ…。大型バイクとしては、ちょっと物足りない気もするな。まぁ、そういうバイクじゃないってのは分かるけど…。
高速道路での安定性は? フレーム剛性やタイヤの影響
- ダブルクレードルフレームによる、しなやかで安定した挙動。
- フロント19インチタイヤが直進安定性に貢献。
- サスペンションはやや柔らかめで、乗り心地重視のセッティング。
最高速も気になるところですが、実際に高速道路を走る上でより重要になってくるのが、車体の安定性です。特に長距離ツーリングなどでは、安心して快適に走り続けられるかどうかが、疲労度や満足度に大きく影響します。W800は、高速道路での安定性に関して、どのような評価を受けているのでしょうか? W800のフレームには、伝統的なダブルクレードルフレームが採用されています。このフレーム形式は、ガチガチの剛性を追求するのではなく、適度なしなりを持たせることで、路面からの衝撃を吸収し、安定したハンドリングを生み出す特徴があります。実際にW800で高速道路を走行したユーザーレビューを見ると、「非常に安定している」「どっしりとした安心感がある」といったポジティブな評価が多く見られます。特に、直線での安定性は高く、バイクが矢のように真っ直ぐ進んでいく感覚を味わえるでしょう。
この高い直進安定性に貢献しているのが、フロントに採用されている19インチのタイヤです(W800 CAFEはフロント18インチ)。一般的に、フロントタイヤの径が大きいほど、ジャイロ効果が強く働き、直進安定性が増すと言われています。一方で、コーナーリング時の軽快さは若干スポイルされる傾向にありますが、W800のキャラクターを考えれば、このフロント19インチ(または18インチ)という選択は、高速巡航時の安定性を重視した結果と言えるでしょう。横風を受けた際のふらつきも少なく、大型バイクらしい堂々とした走りを楽しむことができます。
サスペンションに関しては、スポーティなバイクと比較すると、やや柔らかめのセッティングとなっています。これは、乗り心地を重視した結果であり、路面の細かな凹凸をうまく吸収し、快適なクルージングをサポートしてくれます。ただし、非常に高い速度域での走行や、急なレーンチェンジなどでは、少し腰砕け感というか、フワフワとした挙動を感じる場面もあるかもしれません。また、高速コーナーでの安定性も、最新のスポーツバイクのようなビシッとした感覚とは異なります。しかし、一般的な高速道路の巡航ペースであれば、不安を感じるようなレベルではなく、むしろそのしなやかさが快適性に繋がっていると言えます。総じて、W800の高速道路での安定性は非常に高く、長距離のツーリングも安心して快適にこなせるレベルにあると言えるでしょう。クラシカルな見た目からは想像できないかもしれませんが、現代の交通事情にもしっかりと対応できる、懐の深い走行性能を持っているのです。
- 高速道路、めっちゃ安定してる!フロント19インチのおかげかな?どっしりしてて安心感がすごい。長距離ツーリングも楽そうだね。
エンジンのパワーとトルク:高速域での加速感と余裕
- 低中回転域のトルクが豊かで、常用域での扱いやすさが光る。
- 高速域での追い越し加速は、やや力不足を感じる場面も。
- 馬力よりもトルクと鼓動感を楽しむエンジン特性。
高速道路での走行において、安定性と共に気になるのがエンジンのパワー、特に追い越し加速などで必要となる瞬発力や、高速域での余裕です。W800に搭載されている空冷バーチカルツインエンジンは、最高出力52馬力(現行モデル)と、800ccクラスのエンジンとしては控えめな数値です。このスペックを見て、「高速道路ではパワー不足なのでは?」と心配になる方もいるかもしれません。実際のところ、高速域での加速感や余裕はどうなのでしょうか? W800のエンジンの最大の特徴は、最高出力よりも最大トルクにあります。最大トルクは6.3kgf・mをわずか4,800rpmという低い回転数で発生します。これは、アクセルを開けた瞬間から力強い加速が得られ、低い回転数からでも粘り強く車体を前に押し出してくれることを意味します。実際に街乗りや、高速道路への合流など、常用する速度域では、この豊かなトルクのおかげで非常に扱いやすく、ストレスのない走りを楽しむことができます。6速ミッション(現行モデルは5速から変更)を駆使すれば、スムーズかつ十分な加速を得られるでしょう。
しかし、速度が上がってくる高速域、例えば100km/hを超えたあたりからの追い越し加速となると、やはり絶対的なパワーの限界が見えてきます。アクセルを大きく開けても、トルクで押し出すような加速感はあるものの、高回転まで回してパワーでグイグイ加速していく、という感じではありません。特に、上り坂や向かい風が強い状況、あるいはタンデム走行時などでは、やや力不足を感じ、「もう少しパワーがあれば…」と思う場面があるかもしれません。他の最新の大型バイク、特にマルチシリンダーエンジンを搭載したモデルと比較すると、高速域でのパンチ力や余裕という点では見劣りする可能性があります。
ここでも重要なのは、W800がどのようなバイクであるかを理解することです。このバイクは、サーキットでタイムを削ったり、最高速を競ったりするために作られたわけではありません。あくまで、公道でエンジンの鼓動を感じながら、気持ちよく走ることを主眼に置いたモデルです。高速道路においても、左側車線をゆったりとクルージングするような走り方が最も似合っており、その領域であればパワー不足を感じることはほとんどないでしょう。追い越しをする際も、少し早めにアクセルを開ける、あるいはシフトダウンをするなどの操作をすれば、問題なくこなせるはずです。パワー不足をネガティブに捉えるのではなく、エンジンの美味しいトルクバンドを使って走る楽しさを見出すことが、W800と上手く付き合うコツと言えるかもしれません。
- 高速での追い越しは、やっぱりちょっとしんどいかな。トルクはあるんだけど、グンと加速する感じじゃない。もう少しパワーが欲しいと思う時がある。
振動は気になる? バーチカルツイン特有の鼓動と快適性
- エンジン回転数に応じて変化する、心地よい振動(鼓動感)。
- 高速巡航時も不快な微振動は少なく、比較的快適。
- 振動を「味」として楽しめるかどうかが評価の分かれ目。
バイクの振動は、時に疲労の原因となる厄介者ですが、エンジンの種類によっては、その振動が「鼓動感」としてライダーに心地よさを与える魅力的な要素にもなり得ます。W800に搭載されている空冷バーチカルツインエンジン(360°クランク)は、まさに後者の代表格と言えるでしょう。このエンジンが生み出す振動は、W800のキャラクターを形成する上で欠かせない要素ですが、高速走行時の快適性という観点からはどうなのでしょうか? 気になる振動について見ていきましょう。 W800のエンジンは、アイドリング時から「トトトッ」という小気味よい振動を発し、回転数を上げていくにつれてその質感が変化していきます。低回転域では、一つ一つの爆発を感じられるような、牧歌的で力強い鼓動感があります。そして、中回転域、特にトルクが最も豊かになる領域では、この鼓動感が最も心地よく感じられ、バイクと一体になって走っている感覚を強く味わえます。この回転域をキープして走るのが、W800の最も楽しい走り方の一つと言えるでしょう。
では、高速道路での巡航など、比較的高めの回転数を維持して走る場合はどうでしょうか? 一般的に、バーチカルツインエンジンは高回転域で振動が増加する傾向がありますが、W800の場合はバランサーが効果的に働いており、不快な微振動は比較的少なく抑えられています。もちろん、無振動というわけではなく、エンジンがしっかりと仕事をしている感覚、生きている感覚は伝わってきますが、手が痺れたり、お尻がムズムズしたりするような、疲労に繋がる質の悪い振動は少ないという評価が多いです。滑らかさを追求した最新のマルチシリンダーエンジンなどと比較すれば、振動は確実に存在します。
結局のところ、この振動を「心地よい鼓動」と感じるか、「気になる振動」と感じるかは、個人の好みや感性に大きく左右される部分です。W800の購入を検討している方は、ぜひ試乗してみて、様々な回転域での振動の質感を自分の体で確かめてみることをお勧めします。もしあなたが、エンジンの存在感を感じながら走りたい、機械的なフィーリングが好きだ、というタイプであれば、W800の振動はきっと魅力的に感じられるはずです。逆に、どこまでもスムーズで振動のない快適性を最優先するのであれば、他の選択肢を検討した方が良いかもしれません。高速走行時の快適性という点では、振動が全くないわけではありませんが、W800特有の心地よい鼓動感が、単調になりがちな高速巡航に彩りを与えてくれる、とポジティブに捉えることもできるでしょう。
- このエンジンのドコドコ感がたまらない!高速でも嫌な振動じゃなくて、心地よい鼓動って感じ。乗ってて飽きないし、バイクが生き物みたいで楽しい。
風圧の影響は? カウル有無(CAFEモデル)による違い
- カウルのないW800/STREETは、高速走行時の風圧を直接受ける。
- W800 CAFEのビキニカウルは、胸元への風圧を軽減する効果がある。
- 長距離・高速走行が多い場合はCAFEモデルや後付けスクリーンが有利。
高速道路を走行する上で、ライダーを悩ませる大きな要因の一つが「風圧」です。速度が上がるにつれて空気抵抗は増大し、体全体で風を受け止めることになるため、特に長時間の走行では大きな疲労につながります。W800シリーズには、カウルを持たないスタンダードなW800とW800 STREET、そしてビキニカウルを装備したW800 CAFEの3つのモデルがありますが、このカウルの有無は、高速走行時の風圧の影響にどのような違いをもたらすのでしょうか? まず、カウルを持たないW800およびW800 STREETの場合、ライダーは走行風をほぼ全身で受け止めることになります。特に100km/hを超えるような速度域では、風圧はかなり強くなり、体を起こしているのが辛くなってくるでしょう。上半身、特に胸から上にかかる風圧が大きく、ヘルメットが浮き上がったり、首や肩に負担がかかったりします。短時間であれば問題ありませんが、高速道路を使って長距離を移動する場合、この風圧による疲労は無視できません。風と戦いながら走る、という感覚になるかもしれません。
一方、W800 CAFEは、ヘッドライト上部にコンパクトなビキニカウルを標準装備しています。このカウルは、決して大きなものではありませんが、その効果は意外と侮れません。特に、ライダーの胸元あたりに当たる風圧を効果的に軽減してくれます。これにより、カウルのないモデルと比較して、高速巡航時の快適性が向上し、疲労度が軽減されるという声が多く聞かれます。伏せ気味のライディングポジションと組み合わせることで、より高い速度域でも比較的楽に走行を続けることができるでしょう。もちろん、フルカウルのバイクのような完璧な防風性能を期待することはできません。ヘルメット周りや肩口には依然として風が当たりますが、それでも「ある」と「ない」では大きな違いがあります。
どちらのモデルを選ぶかは、ライダーの好みや主な用途によって決まってくるでしょう。クラシカルなネイキッドスタイルを重視し、高速道路の利用頻度がそれほど高くないのであれば、W800やW800 STREETでも問題ありません。必要であれば、後付けのウインドスクリーンを取り付けるという選択肢もあります。しかし、高速道路を使ったツーリングを頻繁に楽しみたい、少しでも快適に長距離を走りたい、というのであれば、W800 CAFEが持つ防風性能は大きなアドバンテージになります。あるいは、STREETモデルに社外品のスクリーンを追加するのも良い方法です。風圧との付き合い方は、高速走行の快適性を左右する重要な要素ですので、自分の使い方に合わせて最適なモデルや装備を選ぶことが大切です。
- CAFEのカウル、小さいけど結構効く!胸への風圧が全然違う。高速メインなら断然こっちかな。見た目もカッコいいしね。
ブレーキ性能:高速からの減速は安心できるか
- フロント大径ディスクとABS装備で、必要十分な制動力を確保。
- タッチは比較的穏やかで、コントロールしやすい特性。
- 絶対的な制動力は最新スポーツバイクには及ばない。
どれだけ速く走れても、どれだけ安定していても、しっかりと止まれなければ意味がありません。特に高速道路など、速度域が高い場面からのブレーキング性能は、安全に直結する非常に重要な要素です。W800のブレーキシステムは、高速からの減速においても、ライダーに安心感を与えてくれるのでしょうか? W800シリーズのフロントブレーキには、現行モデルでは直径320mmという大径のシングルディスクが採用されています(リアは270mmディスク)。そして、現代のバイクには必須とも言えるABS(アンチロック・ブレーキ・システム)も標準装備されています。これにより、急ブレーキ時や滑りやすい路面でのタイヤロックを防ぎ、安定した制動をサポートしてくれます。実際にW800のブレーキを使用したユーザーレビューを見ると、「必要十分な制動力がある」「安心してブレーキをかけられる」といった評価が一般的です。
ブレーキのタッチ(フィーリング)に関しては、ガツンと効くタイプではなく、比較的穏やかでコントロールしやすい特性を持っているようです。握り込んだ分だけ素直に制動力が高まっていくため、ライダーはパニックブレーキに陥りにくく、落ち着いて減速操作を行うことができます。これは、特にバイク初心者や、リラックスして乗りたいライダーにとっては、扱いやすさという点でメリットと言えるでしょう。街乗りでのスムーズな減速や、ツーリング中の緩やかな速度調整なども、非常にやりやすいはずです。
ただし、絶対的な制動力という点では、最新のスーパースポーツバイクなどに採用されている高性能なブレーキシステム(例えば、ダブルディスクやラジアルマウントキャリパーなど)と比較すると、やや見劣りする部分があるかもしれません。特に、非常に高い速度域からのフルブレーキングや、サーキット走行のような限界的な状況では、もう少し制動力が欲しいと感じる可能性はあります。また、フロントがシングルディスクのため、ダブルディスクと比較すると、ハードブレーキング時の剛性感や安定感で若干劣るという意見もあります。しかし、W800のキャラクターや想定される主な使用状況(公道でのツーリングや街乗り)を考えれば、そのブレーキ性能は十分にバランスの取れたものと言えます。ABSという安全装備も備わっているため、通常の高速走行からの減速であれば、不安を感じることなく、安心して行うことができるでしょう。過度な期待は禁物ですが、信頼性の高い、扱いやすいブレーキシステムを備えていると考えて良いと思います。
- ブレーキ、思ったよりしっかり効くね!ABSも付いてるし安心感ある。ガツンと効く感じじゃないけど、コントロールしやすくて良いと思う。
燃費性能:高速走行時の燃費はどれくらい?
- 高速道路での巡航燃費はリッターあたり25km前後が目安。
- 街乗り燃費と比較して、大幅に向上する場合が多い。
- 大型バイクとしては良好な燃費性能と言える。
高速道路を使ってツーリングを楽しむ際、気になるのが燃費性能です。ガソリンスタンドが少ない区間を走ることもありますし、燃料代はツーリング全体のコストにも影響します。W800は、そのクラシカルな見た目や空冷エンジンという点から、「燃費はあまり良くないのでは?」と思われるかもしれませんが、実際のところはどうなのでしょうか? 特に高速走行時の燃費について見ていきましょう。 W800の燃費性能については、オーナーのレビューや燃費記録サイトなどで多くの情報が共有されています。それらによると、高速道路を一定の速度で巡航した場合の燃費は、おおむねリッターあたり25km前後、あるいはそれ以上という報告が多く見られます。乗り方や走行条件によっては、リッター30km近くまで伸びることもあるようです。これは、800ccクラスの大型バイクとしては、かなり良好な数値と言えるでしょう。
街乗りでの燃費と比較すると、高速走行時の燃費は大幅に向上する傾向があります。ストップ&ゴーが少なく、一定の回転数で走り続けることができるため、エンジン効率が良くなるためです。街乗りではリッター20km前後という報告が多いことを考えると、高速道路での燃費の良さが際立ちます。この良好な燃費性能は、W800のエンジンが、高回転・高出力を追求するのではなく、常用回転域での効率を重視して設計されていることの表れとも言えます。燃料タンク容量は15リットルなので、単純計算でも高速道路なら350km以上の航続距離が期待でき、ツーリング中の給油回数を減らすことができます。これは、長距離を走るライダーにとって大きなメリットです。
もちろん、燃費は走り方によって大きく左右されます。頻繁な加減速を繰り返したり、高い速度域を維持して走り続けたりすれば、燃費は悪化します。逆に、エンジン回転数を抑え、スムーズなアクセルワークを心がければ、さらに良好な燃費を記録することも可能です。また、W800、STREET、CAFEの各モデル間で、燃費性能に大きな差はないと考えられます。総じて、W800の燃費性能は、特に高速走行時において非常に優秀であり、経済性の面でも魅力的なバイクと言えます。ツーリングの相棒として選んだ場合、燃費の心配をすることなく、気持ちよく走り続けることができるでしょう。最高速だけでなく、こうした経済性の高さもW800の隠れた美点なのです。
- 高速だと燃費めっちゃ良い!リッター25km以上走ることもザラ。タンクも大きいし、ツーリングで給油の心配が減るのは嬉しいね。経済的!
最高速だけじゃない!W800の多角的な魅力と選び方
- 空冷バーチカルツインエンジンの心地よい鼓動とサウンド
- 時代を超えて愛されるクラシカルで美しいデザイン
- 扱いやすいパワー特性と良好な取り回し
- W800、STREET、CAFE:各モデルの特徴と選び方
- 乗り心地とライディングポジション:ツーリング適性は?
- カスタムパーツと自分らしいスタイルへの可能性
- メグロK3との関係性とWシリーズの歴史
空冷バーチカルツインエンジンの心地よい鼓動とサウンド
- 360°クランクが生み出す独特の等間隔爆発と鼓動感。
- 歯切れが良く、味わい深いエキゾーストサウンド。
- 低回転から豊かに発生するトルクと粘り強さ。
W800の魅力を語る上で、その心臓部である空冷バーチカルツインエンジンを抜きにしては語れません。「最高速」というキーワードから少し離れて、このエンジンが持つ本質的な魅力、多くのライダーを虜にする理由を探ってみましょう。W800のエンジンは、ただの移動手段のための動力源ではなく、それ自体が乗る楽しさを生み出す、感覚的な魅力に満ち溢れています。 最大の特徴は、360°クランクシャフトを持つバーチカルツイン(並列2気筒)エンジンであることです。これにより、2つのピストンが同じタイミングで上下し、等間隔で爆発が起こります。これが、W800特有の「ドゥルルル…」と表現されるような、連続的で力強い鼓動感を生み出します。アイドリング時から低回転域で感じるこの独特のバイブレーションは、まさに「エンジンの脈動」であり、ライダーに機械が生きているかのような感覚を与えてくれます。この心地よい鼓動を感じながら走ることが、W800に乗る最大の喜びの一つと言えるでしょう。
サウンドもまた、このエンジンの大きな魅力です。左右に伸びた美しいキャブトンタイプのマフラー(モデルにより形状は異なる)からは、歯切れが良く、それでいて深みのあるエキゾーストサウンドが奏でられます。アクセルを開けた時の力強い排気音、そして閉じた時のエンジンブレーキ音、そのどれもがライダーの五感を刺激します。最新の規制に対応しながらも、しっかりと「Wらしい」サウンドを追求している点は、カワサキのこだわりを感じさせます。不快なノイズは抑えられ、ライダーが純粋に楽しめる音質にチューニングされています。
性能面では、低中回転域での豊かなトルクが光ります。最高出力は控えめですが、低い回転数から力強いトルクが発生するため、街乗りでのストップ&ゴーや、ゆったりとしたクルージングが非常に得意です。アクセルを少し開けるだけで、エンジンが粘り強く車体を押し出していく感覚は、ライダーに余裕と安心感を与えてくれます。高回転まで回してパワーを絞り出すのではなく、エンジンの美味しい回転域を使って、鼓動とトルクを味わいながら走る。それがW800流の楽しみ方なのです。最高速やスペックだけでは測れない、感覚的な心地よさ、味わい深さ。それこそが、W800の空冷バーチカルツインエンジンが持つ、時代を超えて愛される魅力の核心と言えるでしょう。
- このエンジンのフィーリング、最高!ドコドコいう鼓動とサウンドが気持ち良すぎる。ただ走ってるだけで楽しいって思えるバイクはなかなかないよ。
時代を超えて愛されるクラシカルで美しいデザイン
- カワサキWシリーズの伝統を受け継ぐ普遍的なスタイリング。
- 曲線美が際立つティアドロップ型燃料タンク。
- 空冷エンジンの造形美とメッキパーツの輝き。
W800シリーズを一目見て、多くの人が感じるのはその「美しさ」ではないでしょうか。流行り廃りに左右されない、普遍的でクラシカルなデザインは、W800が持つ大きな魅力の一つです。性能や最高速も大切ですが、バイクはやはり見た目も重要。所有する喜び、眺める喜びを与えてくれるW800のデザインについて、その魅力を詳しく見ていきましょう。 W800のデザインは、1960年代に登場したカワサキの名車「W1」の血統を受け継いでいます。そのDNAは、特に燃料タンクの形状に色濃く表れています。曲線的でボリューム感のあるティアドロップ型の燃料タンクは、Wシリーズの象徴とも言えるデザインアイコンです。ニーグリップパッド(モデルによる)との組み合わせも、クラシカルな雰囲気を高めています。この美しいタンクのラインが、バイク全体の流麗なシルエットを作り出しています。
エンジン周りの造形美も見逃せません。空冷バーチカルツインエンジンは、その冷却フィンがデザインの一部となり、メカニカルでありながらも有機的な美しさを醸し出しています。特に、エンジンの右サイドにある、ベベルギアでカムシャフトを駆動する機構(ベベルギアタワー)は、機能部品でありながらWシリーズのアイデンティティを示すデザイン上のアクセントとなっています。このエンジンを眺めているだけでも、バイク好きにはたまらない時間でしょう。
各部に効果的に使われているメッキパーツも、W800のクラシカルな雰囲気を高め、高級感を演出しています。前後フェンダー、ヘッドライトケース、マフラー、エンジンカバーなど、輝くクロームメッキが、バイク全体に華やかさと重厚感を与えています。スポークホイール(W800/CAFE)も、クラシックな足元を演出し、デザイン全体の統一感を高めています(STREETはキャストホイール)。細部の仕上げにもこだわりが感じられ、例えばメーター周りのデザインや、シートのステッチなど、丁寧に作り込まれていることがわかります。これらの要素が組み合わさることで、W800は単なる移動手段ではなく、工芸品のような佇まいさえ感じさせます。どの角度から見ても美しく、飽きることがありません。この時代を超えて愛されるデザインこそが、性能やスペックだけでは語れない、W800の持つ普遍的な価値なのです。
- とにかく見た目が好き!このクラシックなデザインがたまらない。タンクの形もエンジンの造形も美しい。眺めてるだけで満足できるバイクだね。
扱いやすいパワー特性と良好な取り回し
- 低回転からトルクがあり、発進や街乗りがスムーズ。
- 過敏すぎないスロットルレスポンスで、初心者でも安心。
- 見た目より重心が低く、取り回しも比較的容易。
W800は800ccクラスの大型バイクですが、そのクラシカルな見た目だけでなく、意外なほどの扱いやすさも魅力の一つです。大型バイクというと、「パワーがありすぎて怖い」「重くて取り回しが大変そう」といったイメージを持つ初心者やリターンライダーの方もいるかもしれませんが、W800はそうした不安を払拭してくれる、フレンドリーな特性を持っています。 まず、エンジンのパワー特性が非常に扱いやすい点が挙げられます。前述の通り、W800のエンジンは低中回転域のトルクを重視したセッティングです。これにより、発進時のクラッチミートが非常にスムーズで、エンストしにくいというメリットがあります。アクセル操作に対する反応も過敏すぎず、穏やかなので、ギクシャクした動きになりにくく、リラックスして運転に集中できます。特に、ストップ&ゴーの多い街中では、この扱いやすさが大きなアドバンテージとなります。パワーが有り余っているわけではないので、アクセルを開けすぎて怖い思いをする、といった心配も少ないでしょう。
取り回しに関しても、見た目の印象よりは良好です。車両重量はモデルによって異なりますが、220kg台と、決して軽くはありません。しかし、エンジン搭載位置が低く、全体の重心が低めに設計されているため、数値ほどの重さを感じさせません。バイクに跨った状態での引き起こしや、低速でのバランスも取りやすく、安定感があります。もちろん、駐輪場での押し引きなどではそれなりに力が必要ですが、ハンドルの切れ角も十分に確保されており、慣れてくれば比較的スムーズに取り回すことができるでしょう。足つき性に関しては、シート高がモデルによって異なりますが(W800: 790mm, STREET: 770mm, CAFE: 790mm)、特にシート高が低いSTREETモデルは、小柄な方でも安心感が高いです。スタンダードなW800やCAFEも、シート形状の工夫などにより、数値ほどの高さを感じさせないという声もあります。
大型バイクのパワーや大きさに不安を感じている方にとって、W800は非常に有力な選択肢となり得ます。扱いやすいエンジン特性、良好な足つき性(特にSTREET)、そして見た目よりも良好な取り回し性能が、ライダーに安心感と自信を与えてくれます。もちろん、油断は禁物ですが、基本的な操作をしっかりと身につければ、初心者や久しぶりにバイクに乗るリターンライダーでも、十分に乗りこなすことができるでしょう。最高速を求めるのではなく、バイクとの対話を楽しみながら、ゆったりと乗りたい。そんな方にこそ、W800の扱いやすさは大きな魅力となるはずです。
- 大型だけどすごく乗りやすい!発進もスムーズだし、街中でも全然疲れない。取り回しも思ったより楽だった。初心者にもおすすめできるね。
W800、STREET、CAFE:各モデルの特徴と選び方
- W800:最もスタンダードでクラシカル。アップライトなポジション。フロント19インチ。
- STREET:低いハンドルとシートで足つき良好。モダンな雰囲気。フロント18インチ。
- CAFE:セパレート風ハンドルとカフェシート、ビキニカウルでスポーティ。フロント18インチ。
現行のW800シリーズには、キャラクターの異なる3つのモデルが存在します。スタンダードな「W800」、モダンな雰囲気を持つ「W800 STREET」、そしてスポーティな「W800 CAFE」です。エンジンやフレームといった基本骨格は共通ですが、ハンドル形状、シート、ホイールサイズ、外装パーツなどが異なり、それぞれ独自の乗り味とスタイルを持っています。どのモデルを選ぶかによって、バイクライフの楽しみ方も変わってくるかもしれません。それぞれの特徴を比較し、自分に合ったモデルを選ぶためのヒントを探ってみましょう。 まず、「W800」(無印)は、シリーズの中で最もスタンダードかつクラシカルな位置づけです。アップライトなハンドルポジションと、段付きのダブルシートが特徴で、ゆったりとしたリラックスした姿勢で乗ることができます。フロントタイヤは伝統的な19インチを採用しており、直進安定性に優れています。メッキパーツも豊富に使われており、最も「Wらしい」雰囲気を色濃く受け継いでいるモデルと言えるでしょう。長距離ツーリングを快適に楽しみたい、あるいは最もクラシックなスタイルが好き、という方におすすめです。
次に「W800 STREET」は、その名の通り、よりストリートユースを意識したモダンな雰囲気が特徴です。ハンドルはW800よりも低く、やや幅広なものが採用されています。シート高も770mmと3モデルの中で最も低く設定されており、足つき性に優れています。フロントタイヤは18インチで、ホイールはブラックアウトされたキャストホイールを採用(2023年モデル以降はスポークホイールに変更)。メッキパーツは控えめで、エンジンもブラックアウトされるなど、全体的に引き締まったモダンクラシックな印象です。街乗りでの扱いやすさや足つき性を重視する方、少しワイルドでモダンなスタイルが好みの方に向いているでしょう。
そして「W800 CAFE」は、カフェレーサースタイルを前面に押し出したモデルです。低く構えたM字型のセパレート風ハンドル(実際はバーハンドル)と、シングルシート風のデザインを持つカフェシート、そしてビキニカウルが最大の特徴です。ライディングポジションはやや前傾姿勢となり、スポーティな雰囲気を醸し出します。フロントタイヤは18インチです。スポーティな走りを楽しみたい方、カフェレーサーのスタイルが好きな方、そして高速走行時の防風性を重視する方におすすめのモデルです。どのモデルも基本的な走行性能やエンジンの魅力は共通していますが、ライディングポジションや足つき性、デザインの好みが異なります。可能であれば、実際に各モデルに跨ってみて、自分の体格や好みに合うか、そしてどのようなバイクライフを送りたいかを考慮して選ぶことが、後悔しないための重要なポイントです。
- 3モデルそれぞれ個性があって悩むね!俺はゆったり乗りたいから無印かな。でもSTREETの足つきも捨てがたいし、CAFEの見た目もカッコいい…。
乗り心地とライディングポジション:ツーリング適性は?
- モデルによってライディングポジションが異なり、快適性も変わる。
- サスペンションは柔らかめで、路面からの衝撃吸収性は良好。
- シートの出来は良好だが、長距離では個人差も。
バイクでツーリングに出かける際、気になるのが乗り心地とライディングポジションです。長時間走り続ける上で、快適性は疲労度に直結し、ツーリング全体の楽しさを左右します。W800シリーズは、そのクラシカルなスタイルから、ツーリングにも適したバイクというイメージがありますが、実際の乗り心地やポジション、そしてツーリング適性はどの程度なのでしょうか? モデルごとの違いにも触れながら見ていきましょう。 まず、ライディングポジションは、前述の通り3つのモデルで異なります。最もアップライトでリラックスできるのがスタンダードな「W800」です。背筋を伸ばした自然な姿勢で乗ることができ、視界も広く、長時間の走行でも疲れにくいポジションと言えます。「W800 STREET」は、W800よりやや低いハンドルですが、それでも比較的楽な姿勢です。一方、「W800 CAFE」は、低めのハンドルとやや後退したステップ位置により、スポーティな前傾姿勢となります。このポジションは、ワインディングなどでは一体感を得やすいですが、長時間の前傾姿勢は首や手首に負担がかかる可能性があり、ツーリングでの快適性という点では他の2モデルに劣るかもしれません。
サスペンションのセッティングは、3モデルとも基本的に共通で、比較的柔らかめの設定です。これにより、路面の細かな凹凸やギャップをうまく吸収し、乗り心地は良好です。ゴツゴツとした突き上げ感は少なく、しっとりとした落ち着いた乗り味を提供してくれます。特に、荒れた路面や長距離の巡航では、この柔らかさが快適性に貢献してくれるでしょう。ただし、スポーティな走りを求める場面では、もう少しコシが欲しいと感じることもあるかもしれません。
シートの出来栄えも、乗り心地を左右する重要な要素です。W800シリーズのシートは、どのモデルも十分な厚みがあり、座り心地が良いと評価されています。特にスタンダードなW800のダブルシートは、座面が広くフラットで、自由度も高く快適です。STREETのタックロールシートやCAFEのカフェシートも、デザイン性と快適性を両立しています。しかし、長時間の連続走行となると、やはり個人差が出てきます。「お尻が痛くなる」という声も皆無ではありません。これはどんなバイクにも言えることですが、必要であれば、ゲル入りのシートカバーを使用したり、社外品のカスタムシートに交換したりするなどの対策も考えられます。総じて、W800シリーズは、特にスタンダードモデルとSTREETモデルにおいて、良好な乗り心地と比較的楽なライディングポジションを持っており、ツーリング適性は高いと言えます。CAFEモデルも、そのスポーティなキャラクターを理解していれば、十分にツーリングを楽しむことができるでしょう。最高速を競うような走りではなく、景色を楽しみながらゆったりと旅をするようなツーリングには、まさに最適なバイクの一つと言えるのではないでしょうか。
- CAFEの前傾姿勢、長時間はちょっとキツそうだな…。見た目は一番好きなんだけど、ツーリングメインで考えると悩むところだ。
カスタムパーツと自分らしいスタイルへの可能性
- マフラー、シート、ハンドルなど、カスタムパーツが豊富に存在する。
- カフェレーサー、スクランブラー、トラッカーなど多様なスタイルに対応。
- 自分だけの個性的な一台を作り上げる楽しさがある。
W800シリーズの魅力は、ノーマルのままでも十分に完成された美しさにありますが、さらに自分らしい個性を加えて、世界に一台だけのマシンを作り上げる「カスタム」の楽しさも大きな魅力です。クラシカルでシンプルな構成を持つW800は、カスタムベースとしても非常に優れた素材であり、多くのサードパーティから様々なカスタムパーツがリリースされています。ここでは、W800のカスタムの可能性について探ってみましょう。 W800カスタムの定番と言えば、やはりマフラー交換でしょう。ノーマルのサウンドも魅力的ですが、より歯切れの良いサウンドや、迫力のある重低音を求めて、社外品のマフラーに交換するオーナーは多いです。キャブトンタイプ、メガホンタイプ、左右独立タイプなど、デザインもサウンドも様々なものが選べます。マフラー交換は、見た目の印象を大きく変えるだけでなく、バイクに乗る楽しさをさらに高めてくれる効果があります。(ただし、車検対応品を選ぶなど、法規を遵守することが重要です)。
ハンドルやシートの交換も、比較的容易に行える人気のカスタムです。ハンドルを交換すれば、ライディングポジションやバイク全体のシルエットが変わり、より自分の好みに近づけることができます。ローハンドルでスポーティに、アップハンドルでゆったりと、あるいはトラックバーでワイルドになど、選択肢は豊富です。シートも、シングルシート、ダブルシート、タックロール、ダイヤモンドステッチなど、デザインや素材、座り心地の異なる様々なものが販売されています。シート交換は、乗り心地の改善だけでなく、バイクのスタイルを決定づける重要な要素となります。
さらに本格的なカスタムとしては、フェンダー交換(ショートフェンダー、リブ付きフェンダーなど)、灯火類(ヘッドライト、テールランプ、ウインカー)の変更、ステップ交換、タンク塗装、さらにはサスペンションやブレーキの強化など、多岐にわたります。これらのパーツを組み合わせることで、王道のカフェレーサースタイルはもちろん、アップマフラーやブロックタイヤを装着したスクランブラースタイル、フラットなシートと幅広ハンドルが特徴のトラッカースタイルなど、オーナーのイマジネーション次第で様々なスタイルを作り上げることが可能です。W800は、そのシンプルな構造ゆえに、カスタムの自由度が高く、オーナーの個性を存分に発揮できるキャンバスのようなバイクなのです。もちろん、カスタムには費用も手間もかかりますが、自分の手で理想の一台を作り上げていくプロセスは、バイクライフの大きな喜びとなるでしょう。最高速を追求するのとはまた違う、奥深いバイクの楽しみ方が、W800のカスタムには詰まっています。
- W800はカスタムパーツが多くていいね!自分好みにいじれるのは魅力的。カフェレーサー風にしてみたいな。妄想が膨らむ!
メグロK3との関係性とWシリーズの歴史
- W800は、カワサキWシリーズの直系の末裔。
- Wシリーズのルーツは、吸収合併したメグロ製作所のモデルにある。
- メグロK3は、W800をベースに、よりメグロブランドを強調したモデル。
W800というバイクを深く理解する上で、その歴史的背景、特に「メグロ」との関係性を知っておくことは、その価値をより一層高めてくれるかもしれません。W800は、単なるネオクラシックバイクというだけでなく、日本のバイク史における重要な系譜を受け継ぐ、由緒正しいモデルなのです。 W800の直接の祖先は、1966年に登場したカワサキ650-W1、通称「W1(ダブワン)」です。当時、日本最大の排気量とパワーを誇ったW1は、日本の大型バイク市場の幕開けを告げるエポックメイキングな存在でした。そのW1のルーツを辿ると、カワサキが1964年に吸収合併した、かつての日本の大手バイクメーカー「目黒製作所(メグロ)」のモデルに行き着きます。具体的には、メグロのスタミナKシリーズがベースとなり、カワサキの技術が加えられてW1が誕生したのです。つまり、W800には、カワサキだけでなく、メグロの血も流れていると言えます。
その後、WシリーズはW1SA、W3(650RS)と進化を続けましたが、1970年代半ばに一旦その歴史に幕を下ろします。しかし、1999年に「W650」として復活。空冷バーチカルツインエンジンや美しいスタイリングは、往年のWシリーズを彷彿とさせ、大きな人気を博しました。そして、排気量をアップし、フューエルインジェクションを採用するなど、現代的な改良が加えられて登場したのが「W800」なのです。W800は、単なる懐古趣味のバイクではなく、W1から続く伝統と、現代の技術が融合した、正統な後継者と言えるでしょう。
そして近年、バイクファンの間で大きな話題となったのが、カワサキによる「メグロ」ブランドの復活と、「メグロK3」の登場です。このメグロK3は、現行のW800をベース車両としています。エンジンやフレームなどの基本構成はW800と共通ですが、燃料タンクにはメグロのエンブレムが輝き、塗装やシート、各部の仕上げなどが、よりクラシカルで上質なものに変更されています。これは、Wシリーズのルーツであるメグロへの敬意を表し、そのブランド価値を現代に蘇らせようというカワサキの試みです。W800とメグロK3は、兄弟車でありながら、それぞれ異なるブランドイメージと世界観を持っています。W800に乗るということは、単にバイクに乗るだけでなく、日本のバイク史の重要な一部であるWシリーズ、そしてメグロから続く長い歴史と伝統に触れることでもあるのです。最高速がどうこうという話とは別に、こうした背景を知ることで、W800への愛着はさらに深まるのではないでしょうか。
- W800って、そんなに深い歴史があるんだ!メグロから続いてるなんて知らなかった。ただカッコいいだけじゃない、由緒正しいバイクなんだね。
まとめ:W800の最高速とトータルバランスの魅力
- W800の最高速は実測170km/h〜180km/h程度で、驚くほどではないが必要十分なレベル。
- 高速道路での安定性は高く、長距離ツーリングも快適にこなせる。
- エンジンは低中速トルク重視で扱いやすいが、高速域でのパワーは控えめ。
- バーチカルツイン特有の心地よい鼓動感とサウンドが最大の魅力。
- 振動は存在するが、不快なレベルではなく「味」として楽しめる範囲。
- 風圧の影響はカウル有無で異なり、CAFEモデルやスクリーン装着が高速では有利。
- ブレーキ性能はABS付きで安心感があり、コントロールしやすい特性。
- 燃費性能は良好で、特に高速巡航時の経済性は高い。
- 時代を超えて愛されるクラシカルで美しいデザインを持つ。
- 扱いやすいパワー特性と良好な取り回しで、初心者にも優しい。
- W800、STREET、CAFEの3モデルがあり、スタイルや用途に合わせて選べる。
- カスタムパーツが豊富で、自分らしいスタイルを追求する楽しさがある。
- メグロから続くWシリーズの歴史と伝統を受け継ぐ、価値あるモデルである。
- 最高速だけでなく、エンジンフィール、デザイン、扱いやすさといったトータルバランスに優れたバイク。
こんにちは! クラシックバイクの佇まいとエンジンの鼓動が大好きな運営者です。この記事を最後までじっくり読んでいただき、本当にありがとうございます!
カワサキW800、本当に魅力的ですよね。「最高速はどれくらい出るんだろう?」という疑問からこの記事にたどり着いた方もいるかもしれませんが、読み進めるうちに、最高速という一面だけでは語り尽くせない、W800の奥深い魅力に気づいていただけたのではないでしょうか?
正直に言うと、W800は「ぶっ飛ばす」ためのバイクではありません。私も試乗したことがありますが、高速道路でアクセルを全開にしても、体がシートに押し付けられるような強烈な加速はありませんでした。でも、それでガッカリしたかというと、全く逆でした。
それよりも、耳に届くバーチカルツインの心地よいサウンド、手に伝わるエンジンの規則正しい鼓動、そして視界に広がる美しいタンクとメーター…。五感を通して伝わってくる情報すべてが、「ああ、今バイクに乗っているんだな」という、純粋な喜びと満足感を与えてくれたんです。まるで、気の合う旧友と、久しぶりにゆったりと語り合っているような、そんな温かい気持ちになりました。
もちろん、高速道路での安定性や必要十分なパワー、扱いやすいブレーキなど、現代のバイクとしてしっかりとした基本性能を持っているからこそ、安心してその「味」に浸ることができるのだと思います。
もしあなたが、バイクに絶対的なスピードや刺激だけを求めているのでなければ、W800は最高の選択肢の一つになるはずです。スペック表の数字だけではわからない、乗るほどに愛着が深まる、そんな不思議な魅力がW800には詰まっています。
ぜひ、機会があれば実際に試乗して、その鼓動とフィーリングを体感してみてください。そして、もしW800を相棒に選んだなら、最高速を気にすることなく、あなた自身のペースで、豊かなバイクライフを楽しんでくださいね!